【獣医室から】ナイトZOO覚え書き


 当園では今年8月に夜間開園「ナイトZOO」を開催いたしましたが、お楽しみいただけましたでしょうか?
 ニュース番組などにも数多く取り上げられ、たくさんのお客様にお越しいただき、大変うれしくありがたく思います。

 通常、午後5時には閉園する天王寺動物園。8月のナイトZOOでは、午後5時に一旦閉園した後にナイトZOOのお客様をあらたにお迎えするのではなく、昼間から続けて園内で過ごしていただけましたので、「ナイト」ZOOとは銘打ちましたが、夜行性の動物だけでなく涼しくなってくる夕方ごろに活動が活発になる動物たちの動きもご覧いただけたのではないでしょうか。
そして、ナイトZOO中は動物ガイドやおやつタイムなどのイベントも盛りだくさん。そのほか、園内ではカエル&両生類展や戦時中の動物園展などの企画展も開催しており、獣医師も園内に出動しておりました。

 さて、ナイトZOO初日(8月8日)は淀川花火大会の開催日でもありました。大阪にお住まいの方はご存じでしょうが、淀川花火大会は50万人を超える観客を集める大阪の夏の一大イベントです。「今日はみなさん淀川に行かれるから、こちら(天王寺動物園)は少ないでしょうね~」などと職員内で話しておりましたが、さにあらず、初日から多くのお客様にお越しいただいてうれしい悲鳴をあげました。
動物たちも涼しい屋外でのびのび動きつつも、「あれ? 普段よりお客さん多いやん?!」と動物なりにテンションが高くなっている子もいましたよ。アムールトラなどの肉食動物が放飼場でうろうろ歩きながら、ご覧になっているお客様に狙いを定めていたりもしておりました。私が見かけたときは狙われているお客様は気づいていらっしゃいませんでしたが、「そういえば、トラを見に行ったらこっちをずっと見ていたなぁ・・・」と思われた方がいらっしゃいましたら、その方は虎二郎あたりに「おいしそう・・・」と狙われていたのかもしれません。

 

アムールトラの虎二郎

アムールトラの虎二郎


 また、アジアゾウの「ラニー博子のお宅訪問」では普段入っていただくことのできないゾウの寝室にお客様をご案内し、ゾウの博子を至近距離でご覧いただきました。近くでご覧いただくと、あらためてゾウの体の大きさなどを実感していただけたかと思います。このイベントはナイトZOO期間中、毎日開催いたしましたが、博子が吠えることもあったようです。ゾウは体が大きいので、吠える声も人の体にしっかりと響きます。普段はあまり吠えることがありませんので、博子の生「パオーン!」を聞かれた方はびっくりされたかもしれませんが逆にラッキーであったかもしれません。

 

アジアゾウのお宅訪問

アジアゾウのお宅訪問

 

 ナイトZOOは今後も開催してまいりますので、お客様にお楽しみいただける内容に加えて、動物への負担がかかりすぎないよう、実施期間やイベント内容などを再考して企画していきたいと思っております。当園一同、皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 また次回の「ナイトZOO」でお会いいたしましょう!


(市川 晴子)

 

 

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