天王寺動物園とご縁を頂いて以来、思えば17年目になります。当時、生涯学習ルームで手作り絵本を学んでいた私達は大阪市の生涯学習ルームフェスティバルに絵本笑店街というグループ名で出展していました。会場の他のブースを見て回った時にゾウのウンチから作られた紙や肥料に目が止まり、こんなことをするのはどんな団体なんだろう?と会場に来られていた当時の職員さん達とお話をさせて頂いたことが、絵本の読み語りグループとして活動することになった始まりです。
月に2回、レクチャールームで行われている定例会の他に、生物多様性や、絶滅の危機にある動物たちの企画展、野外ステージで行われる動物と”花のフェスティバル”等で、小さな子ども達から大人の皆さんに動物や自然環境に関心を持って頂けるよう、絵本を読む活動をしてきました。また、天王寺動物園の夏の風物詩ともいえる“戦時中の動物園展”では、平和や戦争を問う絵本や物語を読む機会を頂きました。私たちで選んだ絵本の他に第二次世界大戦中に天王寺動物園で本当にあったことを描いた「ひょうのつめあと」や湾岸戦争中にクェ―トの動物園で起きたことを元に創作された「カメラを食べたゾウ」を読み続けてきました。この企画の当初の飼育員さんが過去の動物園の辛い出来事に思いを馳せて目頭を熱くして講話をされていたことが思い出されます。今は第3と第4日曜日のレクチャールームでの活動だけになっていますが、これからもずーっと(Zoo人)皆さんの笑顔が見られるように活動を続けたいと思います。
今年の春、新たな施設の学習棟がオープンされるそうです。ガラス貼りの壁面から外の光が差し込む明るい空間で、子ども達がわくわくしながら学べる仕掛けが色々あるそうです。きっと子ども達は生熊系を学びたい、動物を身近に感じたいと瞳を輝かせる事でしょう。私達もそんな空間で共に過ごせることを楽しみにしています。
(たかさき まさこ)
動物園職員と一緒に絵本を読む筆者(左)
Zoo人のメンバーと一緒に絵本を読む筆者(右)