天王寺動物園「なきごえ」WEB版

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秘密のジュウイSHOWの舞台裏

 みなさん「秘密のジュウイSHOW」という企画展を知っていますか?なんかテレビで聞いたことあるような・・・天王寺動物園では毎年11月3日を「じゅういさん」、11月4日を「じゅういし」の日と定め、園内で働く獣医師の仕事について紹介する企画展をおこなっています。この時期の2日間しか開催しないので、毎月第3日曜日にレクチャールームで行っている「動物のとっておき話」も11月はこの企画展の話をしました。動物園獣医師の仕事に、より興味を持ってもらえたらいいなぁと思う次第です。

 実際の展示は、病院では日々どんなことをしているのか、今年あった大がかりな治療やお引越、赤ちゃんが生まれたものについて紹介したり、過去の調査や研究について紹介したりするコーナーなどさまざまのことを取り上げています。

 とはいえ舞台裏となると大変そのものです。掲示物を作るのはほとんどの場合パソコンでの仕事になります。動物たちの治療や管理がない時間を見計らって作らなければならないのですが、コツコツと作る人もいれば、期限ぎりぎりになってから掲示物を作る人、色々です。

 展示物のレイアウトや写真を考える時に、写真を企画展用にと思って撮っているわけではないので、イメージ通りになるものがなかったりして、写真探しにも苦労します。原稿が決まった後は、とても大きなプリンター(会議で使う長い机くらいの横幅)でポスターを印刷して、掲示物とします。まじめな企画ではありますが、ところどころシュールなコメントが入っていたりと面白いところや、自分が制作担当しているものと他の人が作っているものを見比べたりするのは勉強にもなります。

 掲示物や映像も、難しい漢字にはフリガナ、一部英語を表記し、あまりにもグロテスクなものを避けるなど、見て頂くお客様の世代や気持ちに配慮した掲示物にするのも、企画展を成功させるうえで大事な要素となってきます。

 そして企画展に来てくださったお客様との交流も、こういった教育普及活動をするうえでの醍醐味であり、私にとっては楽しみです。ある小学生が、「やさしい解剖」の映像を見て、「心臓が紙だったよ!」と感想を言ってくれたので、悪ノリした私は、「そうなの。みんなが見やすい映像のために紙にしてるのよ。ペラペラだったでしょ⁈」と返すと、どこか複雑な笑みをくれました。ごめんね、難しかったかな。心臓が紙?ペラペラって何?と思われる方!ぜひ2021年の秘密のジュウイSHOWに足をお運びください!

 今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、獣医による講話や吹き矢体験、実際に触れる器具などがなかったので、楽しみにしてくれていた子どもたちにも残念な思いをさせてしまいました。来年はこの感染症も収まってくれていることを切に願います。

(図師 尚子)

動物園のジュウイさんのお仕事の数々

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「秘密のジュウイSHOW」全景~映像やレントゲン写真に興味津々?!

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