天王寺動物園「なきごえ」WEB版

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ダチョウに夢中

塚本 康浩さん

 今年は酉(とり)年ですので、景気よくダチョウのこと書かせてもらいますね。
ダチョウに跳び蹴りされて右足を骨折しました。長期療養のおかげで、復帰しておりますが、身も心も痛かったです。20年ほど前からダチョウの研究をしています。ダチョウで抗体を創り、あの巨大な卵の黄身から抗体を抽出しているのです。その抗体は、伝染病対策などに使われています。なので、私にとってダチョウは良きパートナーであり、いなくては困る存在なのですね。多い時で500羽ほどいます。

 幼稚園の時に巣から落ちていたスズメのヒナを拾って、がんばってみたけど死んでしまった。小学校の時に手乗り文鳥を育てて、一緒に遊んでいたら踏んでしまって死なせてしまった。その少年は、後悔ばかりしていては先に進めないと思い、懺悔(ざんげ)の気持ちも込めて獣医師になりました。最近になって、やっと少しは鳥のお役に立ててるのかなって思います。

 大学に入りニワトリの感染症を研究していましたが、いつのまにか地球で一番大きいダチョウに興味を持ってしまいました。身長250cm、体重150kgと飛び抜けて大きな鳥類です。卵は1.5kgもあります。仁徳天皇陵とか機動戦士ガンダムとか、大きいものが大好きな私にとってダチョウは魅力的すぎます。ウロコも大きく、翼の内側には指もあり、原始的すぎます。臆病なやつ、凶暴なやつ、好奇心が強いやつなど個性豊かで、見ているだけで面白いものです。家畜化されていないので、みんな性格や体型がバラバラなんでしょうね。ダチョウの研究は恐竜と遊んでいるみたいでとにかく楽しい。激突されても、蹴られても、大きな動物を扱っているのですから仕方がありません。自己責任です。でも痛いのはもうこりごりです。

 動物と飼い主の顔が似てくることがあります。もしくは、似たもの同士がペアになるのかもしれません。みしらぬ幼稚園児に「あのオッサン、ダチョウとそっくりやん」そう言ってもらえれば、そろそろ私も一流になれたのかなと思う今日この頃です。

塚本 康浩さん

 

(つかもと やすひろ)

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