明けましておめでとうございます。今年の干支は酉年(とりどし)ということで、本ページでは天王寺動物園で暮らす猛禽類(もうきんるい)たちを紹介をします。皆さんは猛禽類(もうきんるい)にどんなイメージをお持ちでしょうか?実は猛禽類(もうきんるい)の中には縁起が良いとされる仲間もいるのです。
(巴里 藍)
フクロウ(フクロウ目 フクロウ科)
フクロウ舎(ホッキョクグマ舎前)ではシロフクロウとカラフトフクロウが、夜行性動物舎ではメガネフクロウとフクロウが暮らしています。フクロウは「不苦労」、「福来郎」、「福老」といった語呂合わせから、縁起の良い鳥として知られており、様々な開運グッズのモチーフにもなっています。
また、ローマ神話の影響から欧米では英知の象徴ともされている鳥です。
シロフクロウ Bubo scandiacus Snowy Owl
飼育場所:フクロウ舎
名のとおり白色の羽毛に覆われています。北極圏のツンドラ地帯に分布しています。雄がほぼ純白なのに対し、雌は黒や褐色の細かいしま模様があります。日中でも活発に活動し、主な獲物は小型ネズミ類です。映画のハリー・ポッターシリーズで、主人公ハリーが飼うフクロウのヘドウィグが、このシロフクロウです。
カラフトフクロウ Strix nebulosi Great Grey Owl
飼育場所:フクロウ舎
和名に「カラフト」とついていますがユーラシア大陸や北アメリカの北部の針葉樹林に広く分布しています。昼夜を問わず活動し、小型の哺乳類や鳥類などを捕食しています。
メガネフクロウ Pulsatrix perspicillata Spectacled Owl
飼育場所:夜行性動物舎
メガネをかけているかのような顔の模様が特徴です。メキシコからブラジル南部、パ ラグアイ、 アルゼンチン北部にかけての熱帯雨林の地域に分布しています。小型の哺乳類やカエ ルや昆虫、 ムカデなどを捕食しています。
フクロウ Strix uralensis Ural Owl
飼育場所:夜行性動物舎
中型のフクロウで、スカンジナビア半島から日本にかけてのユーラシア大陸北部に広く分布しています。小型の哺乳類、カエルなどの両生類、爬虫類、カブトムシ、セミなどの昆虫を食べています。
タカの仲間(タカ目 タカ科)
天王寺動物園で暮らすタカの仲間はオオタカ、イヌワシ、ソウゲンワシ、オジロワシです。タカは「鷹(たか)は死しても穂を摘まず」や「鳶(とび)が鷹(たか)を生む」などのことわざからもわかるように、古くから優れたものの例えとしてよく用いられていました。
初夢に見ると縁起が良いものを表すことわざ「一富士二鷹(たか)三茄子」にもタカは登場します。
オオタカ Accipiter gentilis Northern Goshawk
飼育場所:猛禽舎
白い眉斑と黒い眼帯が特徴です。北アフリカからユーラシア大陸、北アメリカ大陸に かけて分 布し、日本列島では南西・南方諸島を除く全域に分布しています。冬季には天王寺動 物園の園 内でも見かけることがあります。中小型の鳥類や小型哺乳類を空中あるいは地上で捕 らえます。
ソウゲンワシ Aquila nipalensis Steppe Eagle
飼育場所:猛禽舎
大型のワシで、幼鳥は翼、尾に白のラインが入りますが成鳥になる4~5歳までには全身茶褐色となります。ロシア、ルーマニア、カザフスタン、モンゴル、中国北東部など広域に分布し、冬になると南アフリカ共和国、アラブ、中国海南省などに渡ります。あまり狩りを好まず主に他の猛禽類(もうきんるい)の獲物を略奪したり、死肉を食べたりしますが腐肉は食べず新鮮なもののみを食べます 。
オジロワシ Haliaeetus albicilla White-tailed Eagle
飼育場所:猛禽舎
大型のワシで、全身は褐色の羽毛で覆われていて、尾羽は短くやや楔形で白いのが特徴です。ユーラシア大陸、デンマーク(グリーンランド南部)、日本に分布しています。魚類、鳥類、哺乳類、動物の死骸などを食べ、時にヒツジの幼獣やタンチョウの雛(ひな)を襲い食べることもあります。
是非、天王寺動物園の猛禽類(もうきんるい)に会いに来て福を分けてもらい、今年も素晴らしい年を過ごしましょう。
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