天王寺動物園「なきごえ」WEB版

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動物たちのためにできること
~ハズバンダリートレーニングとエンリッチメント~

 国内の飼育動物の高齢化がすすむ一方で、海外からの新たな個体導入が難しくなってきています。そんな大切な命と種が絶えることのないよう、また、動物たちが元気で健やかに暮らしていけるよう、天王寺動物園ではハズバンダリートレーニングやエンリッチメントに取り組んでいます。

 今回はその一部をご紹介させていただきます。

(高坂 悦子)

ハズバンダリートレーニング

クロサイ

シロフクロウ Bubo scandiacus Snowy Owl

①飼育スタッフがクロサイを近くに寄せて、

シロフクロウ Bubo scandiacus Snowy Owl

➁獣医師が耳から採血するトレーニングをしています。

採血は動物種によって皮膚や血管の硬さなどが違い、慣れていないと難しい作業です。ある意味、獣医師のトレーニングにもなっています。

カバ

カラフトフクロウ Strix nebulosi Great Grey Owl

③洗車ブラシの先をターゲットにトレーニング

 近づいて口を開けてもらうことで口腔のチェックや歯磨きをすることができます。

(編集部注) ターゲットトレーニングとは動物に対して口頭で指示を出し、飼育員が差し出した棒の先や手に体の一部を触れさせるトレーニングです。飼育員が差し出す棒や手をターゲットと呼びます。

ブチハイエナ

カラフトフクロウ Strix nebulosi Great Grey Owl

④近くで立ち上がってもらうことや大きく口を開けることができるようになりました。

寝転がっておなかを見せてもらえるようなトレーニングも始めています。

エンリッチメント

古くなった消防ホースを編んで作ったフィーダー(給餌器)です。

⑤古くなった消防ホースを編んで作ったフィーダー(給餌器)です。

中には、リンゴやにんじん、サツマイモなどが入っています。

ガス管を使ったフィーダー。

ガス管を使ったフィーダー。
マレーグマは立ち上がって器用にエサを取り出しています。

灯油用ポリタンクを利用したムフロンのフィーダー

灯油用ポリタンクを利用したムフロンのフィーダーもあります。

ジャガー用のフィーダー。

ジャガー用のフィーダー。
ブイはもはや定番?

今回ご紹介しきれませんでしたが、トレーニングやフィーダーはまだまだたくさんあります。
トレーニングはバックヤードで行うことが多くご覧いただくことが難しいですが、フィーダーは展示場でご覧いただけ、また不定期ですが更新されますので、ご来園のときに探してみてはいかがでしょうか。

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