動物専門員だより⑥
オンライン事業
ライブ配信の様子
「実際に来てもらえないならライブ配信でもやってみる?」
新型コロナウィルス感染症拡大予防の観点から、動物園内でイベントが開催できない!と、動物専門員3人で話しているなか出た言葉。せっかくならやるだけやってみようと始めたのがきっかけでした。“飼育(4.19)の日”から始まり、“こんにちは動物くん”、“天王寺動物園教室@オンライン”など今では当たり前のようにライブ配信が採用されるようになりました。
オンラインで飼育体験
かなり難しい内容ではあるなと感じたのを覚えています。各学校ではオンライン授業も普及してきてはいますが、専門学校での講師の経験がある私が考えても、反応がわからない状態で授業を進めるのは、なかなかにさみしいものです。画面上で表情はわかるものの、その場の空気を感じることが難しく、さらに対象が小学生となるとどう盛り上げようか、そればかり考えていました。しかし、担当飼育員がそれぞれ考えた授業内容は個性あふれるものばかりで、参加者だけではなく、付き添いの両親まで(私も)楽しめる内容に仕上がりました。
まだまだ課題は多くありますが、今後もオンライン事業は必要とされるものだと確信しています。これから、どんどんレベルアップしていく天王寺動物園のオンライン事業をお楽しみに!
(廣谷 あおい)
ジャガー・ルースの近況
ブイで遊ぶルース
お腹が少しずつふくらみ、お乳が目立つようになり、ふだんは1カ月に1回定期的にくる発情が2カ月無かったので、これはおめでたかな?とドキドキしていたのですが…。
雄のロンとの4月の交尾から、100日前後の出産予定日が近づいてくるにつれ緊張してきていた担当班メンバーですが、日に日に皆の頭に浮かぶ「?」が増えていきました。3カ月目には発情のような行動が見られ、胎動もわからず、ルースの動きには通常時のキレが戻ってきており、今回は残念ながら出産にはいたりませんでした。ですが、12歳と高齢にさしかかってはきましたがとても元気なルース。また次の機会に期待してじっくり取り組んでいきます。
若者のロンに比べるとルースの遊ぶ時間は少ないのですが、お気に入りのセットがあります。全身がすっぽりと入る箱に仰向けに寝転がり、上からつるしてあるブイを前足でゆらします。連続してゆらすときもあれば、1回たたいてボーッと寝転んでいるときもありますが、このセットでは飽きずによく遊んでいます。ブイをつるしているチェーンのジャラジャラという音や、ブイが擬木にぶつかるカンカンという音が聞こえると、少し離れたところにいても「あっ、また遊んでるなー」とほほえましくなります。
(中島 野恵)