天王寺動物園「なきごえ」WEB版

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オーストラリアの動物たちを救いたい!

 オーストラリアでは干ばつと2019年9月からの継続的な森林火災のためニューサウスウェールズ(NSW)州では8億頭もの野生生物が、オーストラリア全土では10億頭もの野生生物が命を失うこととなっています。世界中の多くの保護団体や個人の人達が大変なことだと寄付をするなどの支援活動をしました。

 ZAA(オーストラレーシア動物園水族館協会)が基金を立ち上げ、WAZA(世界動物園水族館協会)を通じてJAZA(日本動物園水族館協会)が加盟園館に支援を呼びかけました。しかしそれよりも先にコアラ飼育園館は独自に募金活動を開始し支援を始めました。そういう中、当園でもアーク父ちゃんを最後に現在飼育はしていないもののコアラ飼育園館として支援をしたいと強く思い手続きを始めました。手続きにはいろいろと困難が多く時間がかかりましたが、コアラやカンガルーなどオーストラリアの動物たちを救い、その生息環境を回復するために今年の2月8日から募金活動を開始することが出来ました。

園内に掲示した募金を呼び掛けるポスター

園内に掲示した募金を呼び掛けるポスター

 大阪市とオーストラリア・メルボルンとは、40年にわたる姉妹都市であり、大阪市制100周年にあたる1989年(平成元年)には、メルボルン動物園から天王寺動物園にコアラを寄贈して頂いたのを機に計10頭ものコアラを寄贈して頂いていて、現在所有権をもつアークについてもメルボルン動物園から寄贈を受けていること。短期的に必要な資金だけでなく、長期的に野生生物保護のために活用されること。今回の山林火災については負傷した野生動物たちを治療し一時保護する施設や野生復帰させるための環境を回復させる必要がありかなりの期間を要すること。そして本募金の送金予定の基金(Bushfire Emergency Wildlife Fund:以下BEWF)はメルボルン動物園を含めたヴィクトリア州の3動物園が立ち上げた基金であり、ヴィクトリア州政府や国立公園などとも協力し、病気や負傷した野生動物の保護及び野生復帰プログラムを実施するための基金であり、野生動物の保護、野生復帰及び生息環境保護に寄与すること。などにより天王寺動物園はBEWFに寄付することに決めました。

Bushfire Emergency Wildlife Fundのポスター

Bushfire Emergency Wildlife Fundのポスター

 メルボルン動物園の獣医師に連絡をとるととても喜んで頂きました。

 もちろんすぐさまオーストラリアに飛んで行ってコアラの保護活動を支援したいとも考えましたが状況的には困難で断念することとなりました。

 現在は制圧宣言がなされ火事自体は終息していますが、環境が回復するにはまだまだ時間がかかります。天王寺動物園では長期的に支援することとして期限を決めずに募金を募っていますので、支援をよろしくお願い致します。

(西岡 真)

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