動物専門員だより④
コアラのなかま!? フサオネズミカンガルー
体重測定中のフーザブロウ
今号はコアラ特集ということで、アークがいたころの取り組みや、コアラ展示場に新たにやってきたエミューなど、書く内容に悩みましたが… コアラのなかまであるフサオネズミカンガルーに登場してもらいましょう。ネズミなのかカンガルーなのかわからない名前ですが、文字通り“ネズミカンガルー”のなかまです。おなかに子どもを育てるための袋を持つ有袋類で、大きな分類ではコアラのなかまでもあります。動物園の夜行性動物舎には雄のフーザブロウが暮らしています。小さなからだでぴょんぴょんと跳ね回るすがたは、暗い夜行性動物舎でも目立つ存在です。そんなフーザブロウですが、2006年生まれの14歳。高齢になってきているため、健康管理を進めています。そのひとつが体重測定です。昨年6月から体重計にのるトレーニングをはじめました。トレーニングといっても、まずは目の前で好物のバナナや食パンを食べることからはじめ、目の前に台を置き、その上で食べてもらうようにします。これで体重測定完了です。8月の終わりから安定して測定できるようになり、約830gであることがわかりました。野生のフサオネズミカンガルーの体重と比べると少なめなので、現在は餌の内容の変更を試しているところです。
(井出 貴彦)
コアラ館で暮らし始めた新しい仲間たち!
昨年の10月にコアラのアークがイギリスに行って、コアラ館は空き家になっていましたが、新たに今年の1月1日から、は虫類生態館(アイファー)のアルダブラゾウガメ2頭とふれあい広場のエミュー1羽が移動してきました。
まず、アルダブラゾウガメは日本より温暖なセーシェル諸島に生息しているので、日本の冬は気温が低く屋外には出せないため、屋内展示場で暖房を入れて飼育していますが、4月になり気温が上がってくれば屋外展示場に移動して日光浴をさせたいと思っています。
屋内展示場のアルダブラゾウガメ
また、ふれあい広場で飼育していたエミューのジョー(雄)は元々3年前にコアラ館で人工育雛をして育てられたので、とても人懐っこくて、古巣の屋外の広い展示場で伸び伸びと暮らしています。これからは、人懐っこい性格を活用してトレーニングなども行えればと思っています。
エミューのジョーと筆者
今後とも新しい仲間たちをよろしくお願いいたします。
(辻本 英樹)