突然ですが、皆さんは天王寺動物園のスタッフブログを読んだことはありますか?ほぼ毎日更新されるスタッフブログ、実は私が天王寺動物園の採用試験を受けようと決意したきっかけの1つでもあります。
天王寺動物園に就職する前は水族館で海獣類の飼育員をしていました。水族館という限られた環境の中でも動物たちが生き生きと過ごせる環境を作る、そのサポートができる飼育員になりたいと思い日々仕事をしていました。そんな時、昼休憩の時間によく見ていたのが他の動物園・水族館のスタッフブログです。スタッフブログを書いている施設はたくさんありますが、天王寺動物園は1・2を争うほど更新頻度が高いことが印象的でした。近年はSNSの普及により、写真や動画を中心に気軽に投稿できるツールが注目を集め、多くの施設でも活用されています。一方ブログは、比較的長めの文章でコアな内容を説明できますが、他のツールに比べると記事を書く手間がかかるというデメリットがあります。私も水族館でブログを書いていましたが、天王寺動物園のように毎日ボリュームのある記事を書くというのは中々の苦労だと思っていました。
毎日更新されるブログの中でも、特に印象に残っている記事が2020年5月31日の「ふれあい広場からお便り」で、ウサギの健康管理のために体重測定の練習を始めたという内容です。飼育頭数が多い小動物たち、ひょいっと持ちあげて体重計に乗せて簡単に測定することもできますが、あえて手間をかけて少しでも動物たちのストレスを減らそうとする、そんな飼育員さんの動物と向き合う姿勢に、同じ飼育員としてとても感銘を受けたことを覚えています。
また、動物たちの可愛い・綺麗な部分だけでなく、生きている以上当然訪れる老化や死についてもありのまま発信していたことも印象に残っています。生き物を飼育している施設ですので、「生」があるように当然「死」もあります。当たり前のことですが、「死」については動物園・水族館にとってはマイナスイメージがつきやすいものです。日ごろから動物たちに真摯に向き合っている施設だからこそ、ありのままを発信することでマイナスイメージよりも命の尊さを伝えることができるのだと思いました。
そんな天王寺動物園のスタッフブログを書く側になった私ですが、今困っているのは書きたいネタが多すぎて渋滞していることです。就職して半年が経ち、現場の人たちがどういう思いで動物たちに接しているか、少しでも良くしようと日々色々な取り組みが行われていることを知りました。例えば、採食方法の工夫としてフィーダーを作ったり、展示場のレイアウトを変えたり、健康管理のためにトレーニングを始めたり、餌の内容を見直したり、高齢の個体のケアをしたり、、、。情報発信をしていく立場として、「こういうことやってますよ~!」で終わらず、その進捗具合や成功・失敗などもこまめに発信していきたいと思っています。ブログを通じて動物たちの情報や環境保全への関心を高めることはもちろんですが、いろんな挑戦の失敗・改善・成功を発信することで、読者の方にも一緒に動物園を盛り上げていく気持ちを共有できたらと思っています。
今年度4月から天王寺動物園は法人として運営しています。このタイミングで動物園に就職できたご縁に感謝を忘れず、これからの動物園をスタッフやお客様と一緒に作り上げていくサポートができるよう、スタッフブログをはじめとした様々なツールで情報発信をしていきます。