天王寺動物園「なきごえ」WEB版

なきごえ 2018年11月号 Vol.54-04

ラニー博子の思い出(旧担当者)

すごいぞ!チンプ(プテリ編)

 普段のプテリはゆったりと過ごしていることが多く、感情を爆発させることも少なめですが、天王寺のチンパンジーたちの中では一番思慮深く慎重な性格のように感じます。皆賢いですが、特にプテリはこちらの思っていることを見透かしているのでは、という気持ちになることも。
プテリ本当にすごいな…と思ったのは、以前同僚にチンパンジー舎の作業の手順を伝えていた時でした。チンパンジーの寝室の扉には南京錠が3つ、違うタイプのシリンダー錠が2つついています。寝室に入ってもらう前と後には南京錠を軽く引っ張り、きっちり施錠されているか確認をします。チンパンジーが手を出してくると危険なため、その日は同僚には指差し確認してもらい、私が後で引っ張って確認する段取りでした。他のチンパンジーが騒いだりしている中、プテリの部屋の鍵を指差し確認した同僚、プテリはじっと見た後に彼の姿が見えなくなると、そっと自分の手を扉の隙間から出し、南京錠を引っ張って鍵が開いていないか確認をしたのです。いつもと違う手順だったので、「もしかして忘れているんじゃないか?」と言わんばかりの表情でした。それを見て以来、一段と気持ちを落ち着けて作業するようになったのはいうまでもありません。
今年の地震の際にも、プテリはおびえているレモンにずっと寄り添ってくれ、年の功を感じました。元気で長生きしてもらえるよう、来園者の方達にはチンパンジーたちのすごさを伝えていけるよう、またいろんなエピソードをお伝えしたいと思います。

(仁木 美智子)

チンパンジーのプテリ

チンパンジーのプテリ

 

ふれあい3周年イベント

 去る10月8日(月)の体育の日にふれあい広場3周年イベントが行われました。この日はわれわれ職員の他、大阪ECO動物海洋専門学校と大阪動植物海洋専門学校の2校からも学生が応援に駆け付けてくれ、シバヤギ・エミュー・野間馬のガイドを自ら考えた内容で行なってくれました。彼らはパネルを製作したりなどしてお客さんに分かりやすいガイドをプロデュースし、イベントを盛り上げてくれました。この場を借りて感謝したいと思います。
ふれあいコーナーでは日頃は登場しないアカダイショウ(コーンスネーク)という種類のヘビやマサヒロヨシトのニワトリの他、ドジョウ・コオロギ・ミルワームといった普段は生き餌として扱われているものを展示し、自由に触れ合っていただきました。中でもニワトリたちは記念写真が撮れることもあって行列もできていましたし、意外にもドジョウやコオロギに人気が集まり、子どもたちは怖がったりもしていましたが、親に手伝ってもらいながら楽しんでいました。以前は自然の中でも普通に見られた生き物ですが、今ではなかなか実生活ではお目にかかることができないのがうなづける光景でした。次回も皆さんにまた来ていただけるものを用意したいと思います。

(市成 崇)

ドジョウを触る子どもたち(写真提供:古屋美千代)

ドジョウを触る子どもたち(写真提供:古屋美千代)


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