天王寺動物園「なきごえ」WEB版

なきごえ 2018年11月号 Vol.54-04

アジアゾウ「ユリ子」ゾウ舎に立つ

 戦後の天王寺動物園を支え、2000年5月19日に推定52歳で亡くなったユリ子。しかしながらユリ子は現ゾウ舎で暮らすことはありませんでした。彼女は骨格標本として動物園で眠り続け、動物園内で皆様に見てもらう機会がありませんでした。

 今年の1月に最後のアジアゾウのラニー博子が亡くなりゾウがいなくなったゾウ舎。このため夏のナイトZOOの期間限定イベントとしてこのゾウ舎にユリ子の骨格標本を組み立て、来園者の皆様に見ていただくことにしました。

写真①

ユリ子の骨格は大きなパーツごとに組み立てられた状態で保管されています。とても大きくて重たく、しかも壊れやすい骨格を慎重にゾウ舎に運びます。

写真②

ゾウ舎内には吊り上げや組み立に必要な足場やチェーンブロックが設置され、まるで工場のようです。

写真③

骨格の組み立てには順番があります。獣医さんの指示で順番に組み立てていきます。

写真④

穴の位置や場所などの微調整の必要な部分も多く、プラモデルのようなわけにはいきません。事故や破損がないよう慎重に組み立てます。

写真⑤

1日でここまで組み立てました。獣医師も飼育係も他の仕事をしながら2日間かけて組み立てました。

写真⑥

ユリ子の骨格が完成しました。ずっと倉庫で眠っていたユリ子がこの夏限定で多くの来園者に見ていただき、ゾウの体の不思議を教えてくれました。

写真⑥

生前のユリ子

 

(西村 慶太)

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