ジャガーの子どもたちの成長と新たな繁殖に向けて


 2014年8月9日に2頭(雄:葉月旭、雌:葉月ココ)生まれたジャガーの子どもうち雄の葉月旭が京都市動物園へ10月19日に旅立ちました。私が、ジャガーの担当になった2015年4月からこれまでの経過を紹介したいと思います。

 私が担当になった頃は2014年8月9日に生まれた2頭の子どもと母親のルースは、放飼場と夜間収容する寝室のどちらでも同居しており、子どもたちは母親によくなついていました。

 子どもたちの成長に伴い、親離れをさせるため6月1日から毎週月曜日と金曜日の絶食日以外は夜間は別居させることにしました。7月20日、寝室に収容した際に母親のルースが雄の子どものを威嚇するようになったため、絶食日も個別の部屋に収容するようにしましたが、昼間は放飼場では3頭同居させており、この頃にプールを設置しましたので、水遊びをするかわいい姿を見ることができました。ナイトZOO開催中の8月9日の1歳の誕生日には肉でケーキを作りお祝いしました。

 8月末にはルースに発情がきて、2頭の子どもに対してより攻撃的になったため、8月29日からは昼間も子供たちを母親から分けて別の放飼場に展示し、完全に親離れさせました。お互いに寂しがらないように9月7日、子どもたちの放飼場に止まり木を設置しました。子どもたちは2頭で仲良く木に登り遊んでいましたが、母親のルースは隣の展示場の子どもたちが気になり落ち着きがありませんでした。

 9月24日にはを京都市動物園への搬出に向けて寝室内に捕獲用の檻(おり)を設置し、檻(おり)の中に餌の牛肉を置いて檻(おり)に慣らし始めました。また、園路には寄せ書き用のポスターを設置し入園者の皆さんにへのメッセージを書いていただきました。10月12日には「お別れ会」を開催しましたが、別れへの寂しさがこみ上げてきました。そして、10月19日の休園日にを捕獲し無事に京都市動物園へ送り出すことができました。

寝室内の旭

寝室内の

 

隣の寝室に設置した捕獲移動用の檻(おり)

隣の寝室に設置した捕獲移動用の檻(おり)

 

旭の寝室側から見た捕獲移動用の檻(おり)

の寝室側から見た捕獲移動用の檻(おり)

 

捕獲移動用の檻(おり)中に置いた餌を食べる旭

捕獲移動用の檻(おり)中に置いた餌を食べる

 がいなくなりココが寂しがり、よく鳴くようになったので、放飼場内にいろいろなおもちゃを置いたところ、遊びに集中し、あまり鳴かないようになっていきました。

ジャガオルースは次の繁殖を目指してルースの発情に合わせて、11月3日から11月18日まで同居させ、何度もマウントや交尾を観察したので、妊娠を期待していましたが、12月末には再び発情がきました。12月20日から1月14日まで再び同居させ、妊娠していることを期待しているところです。

京都市動物園へ出園したは新しい環境に慣れ、放飼場を元気に走り回っているとのことです。将来、神戸市立王子動物園から移動した雌のクロジャガーのミワとの間に元気な赤ちゃんが生まれることを願っています。

 

(西田 雄之)


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