〜天王寺動物園発行情報誌〜なきごえ.2001年9月号 今月の特集

2001年7月2日から6日までオーストラリアのシドニーにあるタロンガ動物園で獣医保全生物学国際会議が開催されました。5日間とも朝8時30分から午後5時まで日程はびっしりだったのですが、昼休みや、休憩時間に園内見学をすることが出来ましたので、その印象をお伝えしたいと思います。(飼育課:長瀬健二郎 sep/2001)


坂の上にある正門前のカモノハシのモニュメント。

ロープウェイからはさらに素晴らしい眺望を楽しむことが出来ます。

私にとって今回が3度目の訪問でしたが、今回、園内に入ってまず感じたことは「きれいになったなぁ」でした。園の人に伺うと、やはり昨年開催されたオリンピックのためにかなり改装されたそうです。

この動物園は入り江に向かって下ってゆく斜面に設けられています。入場門は2カ所で、バスの停留所がある坂の上が正門で、海岸に接したフェリー埠頭からの入場門もあります。フェリーからは無料のロープウェイで坂の上まであがることが出来ます。このロープウェイも約3億円をかけて改修したそうで、大変きれいで乗り心地良くなっていました。斜面にあるだけに園内からの眺めはとても良いのですが、ロープウェイに乗ると眺めは一層素晴らしく、対岸のオペラハウスやハーバーブリッヂ、シドニータワーを遠望することが出来ます。


■新しい動物舎
新しい動物舎としてはアマゾニアと「ウォレミの生き物たち」がありました。

アマゾニアは池の中に3つの島があり、各島にはリスザル、ワタボウシタマリン、エンペラータマリンがそれぞれ群れで飼われています。そして池の中にはアメリカアリゲーターが住んでいました。お客さんは基本的には池の水面 近くの縦にピアノ線が張られたところから動物を観察するのですが、会議の会場となったビジターセンターに入ると各島を見下ろすことが出来るようになっています。どのサルも一時もじっとしていない活発なサルですから展示効果 は高いものがあります。

ウォレミの生き物たち
「ウォレミの生き物たち」という展示はオープン間なしといった感じの新しい通り抜けの動物舎でした。ウォレミというのはシドニーから北西80・にある国立公園で、生態的展示を使ってその雰囲気を良く再現していました。哺乳類は4種、爬虫類は7種が展示されていましたが、20種以上の鳥たちが飛び交い、池の中ではカモノハシが泳ぎ回り、本当に山歩きをしている感じが味わえました。

一般のお客さんはピアノ線越しに見学します。 上の方にビジターセンターが、手前の池にはワニが見えます。


ビジターセンターからは樹上のサルを間近に 見ることが出来ます。




ゴミは3種に分けて捨てられます。
環境に対する意識が高い国らしくゴミを4種に分別するようゴミ箱が準備されていて、さすがと思いました。
まだまだたくさん面白い施設がありましたが、紙面の関係で印象記はこれで終わりますが、あわせて「グラフzoo」もお楽しみいただければ幸いです。

つづきがあるよ

Osaka Municipal Tennoji Zoo.Nakigoe vol.37-9.copyright september 2001