〜 天王寺動物園発行情報誌 〜
『なきごえ』4月号       

   
         
    〜 コアラの膀胱結石摘出手術 〜

 昨年10月30日にコアラ(愛称クミ、メス、当時8歳)の膀胱結石摘出手術を実施しました。国内では初の試みでしたが、手術は無事成功し、今では普通どおりの生活を送っています。この手術の様子を写真で説明します。
(1)できるだけストレスを与えないよう、クミを麻袋に入れて、自動車ですばやく動物病院まで運びました。   (2)吸入麻酔で眠らせた後、体温を測定しました。手術中は定期的に体温測定を行います。
(3)レントゲン写真を撮って膀胱結石の位置を再度確認しました。
(4)開腹する部分とその周囲の毛をきれいに剃りました。指でつまんでいるのが育児嚢(のう)です。
(5)手術がしやすいよう手術台に手足を固定したところです。
(6)腹部を切開し、膀胱を引っ張り出しました。矢印の先のピンク色をした風船のような臓器が膀胱です。
      (7)膀胱を切開し、へら状の器具で膀胱結石を取り出しているところです。 (8)膀胱結石を摘出し、膀胱・腹壁に続いて皮膚を縫合しました。
(9)元気になったクミちゃんです。今では、膀胱炎になる前の体重より重くなるほど回復しました。