白黒赤3色の美しいツル


日本の代表的な鳥といえば、何を思い浮かべますか?スズメ?ハト?キジ?

 日本の国鳥といえばニホンキジです。雄は光沢のあるきれいな色をしてケーンケーンと鳴き、昔話「桃太郎」にも登場しています

ニホンキジ 

ニホンキジ

 

 では、タンチョウというツルはご存知ですか?日本画に描かれていそうな大型の鳥、雪の上でペアでダンスを踊っている鳥、というとイメージできるでしょうか。タンチョウを実際に見たことのある人はそう多くはないかもしれませんが、昔話「ツルの恩返し」に登場していたり、10年ほど前まで千円札の裏面に印刷されていたり、少なからず絵で見たことはあるのではないでしょうか。

 

タンチョウ 

タンチョウ

 

 タンチョウは、ロシアや中国から日本(北海道東部)まで広く分布しています。現在日本でみられるツル類は7種いますが、日本で一年中生活し繁殖もするのはタンチョウだけです。タンチョウは漢字で「丹頂」と書き、丹は赤い、頂はてっぺん(頭)という意味です。頭の赤い部分には羽はなく皮膚が裸出していて、ニワトリのとさかのようになっています。

 

頭の赤い部分

頭の赤い部分

 

 この赤い部分は、興奮したり相手を威嚇したりするときには大きくなります。羽を広げると240cmにもなり、国内で最大級の鳥です。食性は雑食で、魚や昆虫、トウモロコシなどの植物を食べます。

 タンチョウは、関東地方でも見られた時代もあったようですが、乱獲や開発による湿原の減少により絶滅したと思われました。しかし大正末期に釧路湿原で10数羽が発見され、1935年に天然記念物、1952年に特別天然記念物に指定され保護されるようになり、現在は1100羽以上生息が確認されています(世界中で3000羽ほど)。

 タンチョウは一度つがいになるとどちらか一方が死ぬまでそいとげます。4-6月に湿原の中に大きな皿状の巣を作り、通常2個の卵を産み、雄雌交代で卵をあたためます。

 現在天王寺動物園で飼育されているペアは、順調に繁殖を続け国内にその子孫が増えすぎてしまったため、血統管理の観点より繁殖をストップしています。現在では雌が41歳以上、雄も31歳と高齢のため、ここしばらくは産卵も見られず、雌は両目とも白内障になっておりほとんど見えていないようです。

 

雌の白内障(黒目の中央が白くなっている)

雌の白内障(黒目の中央が白くなっている)

 

 タンチョウや他のツル類を飼育していたツル舎ですが、老朽化のため建て替え工事中で(昭和39年建設) 、 現在タンチョウはコウノトリ舎にほかのツルとともに移動しており見えづらい場所で飼育されています。新ツル舎は来年の春に完成予定ですので、完成した暁にはぜひ美しいタンチョウの姿を見に動物園にお越しください。

旧ツル舎

旧ツル舎

 

 

(中島 野恵)