天王寺動物園では、動物への愛護精神を養い情操教育の一環となるべく、昭和５０年から夏休みの期間中に、小学校４・５・６年生を対象にサマースクールを開催しています。今年も第２９回サマースクールが７月２０日（日）から２６日（金）にかけて行われました。しかし、今年はサマースクールが実施されて始めての雨に見舞われ、私たち動物園自身がこれまでに経験したことのないものでもあり、少し不安の残る中での開催となりました。しかし、雨の中での泥にまみれての清掃など、大変な作業になるグループもありましたが、ボランティアやキーパーの機転と、何よりも子どもたちに少しでも動物とのふれあいを体験させてあげたい熱意で、無事開催することができました。

　サマースクールでは２日間の日程で、動物の観察や動物舎の清掃、エサの調理等を実際に体験します。普段見ることのない動物園の裏側で、間近に動物を見た子ども達は、「大きいな」「かわいいな」と初めての体験に興奮ぎみです。寝室の清掃では、ほうきやくまでを使っての掃除をがんばりました。エサづくりでは、一日のエサの量にびっくりしました。爬虫類館では、ヘビを首に巻いてもらってお互いに自慢大会です。キリンやサイ、ヒツジなどの動物には自分の手からエサをあげることができ、すてきな思い出ができました。

　実際に近寄って見る動物は意外に大きくて、こわごわ観察する子や、エサの調理では包丁を初めて使う子など、見ている方がハラハラする場面もありましたが、ボランティアやキーパーに教わりながら一生懸命に、大きなゲガもなく実習できました。実習当初は初対面でも、実習を進むうちにみんな仲良しになって、積極的に質問もできるようになり、ときにはキーパーが驚くような質問をする子もいました。

　来年は第３０回目をむかえる節目の年です。サマースクールに毎年参加してくれる子や、参加した子の「楽しかった」という声を励みに、これからもさらに充実したサマースクールを開催していきたいと思います。

管理課　　朝田　康子

くわしい様子は［グラフZOO］の写真で見ることが出来ます。