目からウロコが落ちた@


 私が動物園に採用されて間もない頃、担当していたワニガメは「動かないのが当たり前の動物」ということを知り、何の疑問も持たず飼育していました。。
 しかし、それを見たお客様の声や疑問を聞いて、「そうか、お客様から見れば動かないって不思議なことなんや」「ひょっとして殺風景な水槽に入っていれば標本に見えるかも」と気づきました。先入観のないお客様の声は「ワニガメの何を知りたいのか、何を伝えたらよいのか」を知るきっかけとなり、やがて解説作りの大きなヒントにもなったのです。
 現在、ワニガメは爬虫類(はちゅうるい)生態館(アイファー)で、生息地を再現した展示水槽の中で景色にとけ込み暮らしています。

(西村 慶太)