カバのテツオとティーナは夫婦です。一般的なイメージではオスの方が強くてティーナが一歩ひいている、という関係を想像されるかもしれませんが、実際にはその逆で、テツオはかなりの怖がり、ティーナは食欲旺盛で怖いもの知らず、という感じです。

　毎週月曜日の休園日にはよく設備の点検などがはいります。このときは普段入らないところに業者の人が入ったり、いつもと違う音がしたりします。

　ティーナはそんな状況でもエサさえもらえれば、そっちに夢中になり平気です。逆にテツオはというと、少しでも怖いと思うと水の中に潜ってしまいなかなか出てきません。寝室でこの「びびりモード」に入っている場合、ティーナが先に展示場に出て行くことで、後について行くように出て行きます。出にくいときは寝室のプールの水を少し抜くと渋々出ていきます。

ティーナとテツオ

　問題は外の展示場でびびりモードに入ったときです。ティーナが先に寝室に帰り、一人ぼっちになっても、安心するまで陸に上がることをしません。展示場のプールは大きすぎて、簡単に水を抜くこともできません。テツオが納得して自分から上がってくるのを待つしかなく、ひどいときには一晩中外で過ごすときもあります。

　普段からテツオの心のケアをしようとホースで水をかけて遊んでやったり、いろいろ相手をするのですが、なかなかびびり癖は治りません。テツオとティーナ、足して２で割ったらちょうどいいのに、と思う今日この頃です。

（油家　謙二）