ゾウガメたちのお引っ越し


 今回は爬虫類生態館アイファー(以下アイファー)が実施しています「ゾウガメのお引っ越し」を紹介したいと思います。「ゾウガメのお引っ越し」と言っても実際に引っ越しするのは。2頭のアルダブラゾウガメの他にケヅメリクガメ、ヒョウモンガメ、スマトラムツアシガメがいます。この合計4種、9頭のカメたちの引っ越しをお客様に手伝っていただくものです。

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写真@:アイファー館内は台車に乗せて運びます(ゾウガメ)

 

 普段、このゾウガメたちはアイファーで展示をしていますが、気温が上がり始める6月頃にアイファーからヒツジ広場横への引っ越し、10月頃には逆にヒツジ広場からアイファーへの引っ越しと、年に2回の引っ越しをすることになります。アイファーからわざわざ引っ越しをする訳は、アイファーではなかなか思うようにできない日光浴がヒツジ広場で十分できること、のびきった雑草の管理(草刈りの代わりに食べてくれる)も一役買ってくれることなどの理由によるものです。

 この引っ越し作業は、当初、担当者を中心に飼育係のみで行っていましたが、引っ越し作業という重労働でも滅多に経験できないお客様にとっては、貴重な経験ではなかろうかということで、お試し企画として実施したところ、参加された方々から喜びの声を聞けたことから、ここ数年実施しています。

 特に参加資格もありませんから気軽に参加してください。ご家族で参加をして、お父さんの活躍を見るもよし、カップルで参加して彼(女)のたくましい姿を再認識するもいいのではないでしょうか。もちろんお子様の参加も歓迎します。お子様には小さめのカメのお手伝いをお願いしています。

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写真A:小さなスマトラムツアシガメとヒョウモンガメは子供たちでよいしょ!

 

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写真B:大きなゾウガメは大人がよいしょ!

 

 ゾウガメたちは普段アイファーで暮らしているスペースより格段に広い場所へ移したあとは、木陰や水溜りで涼をとる個体、辺りに生える草をむさぼる個体、隅っこでじっとしている個体、飼育員が掃除をしに入ると近寄ってくる個体など、それぞれが思い思いの行動をしている場面を見ることができます。

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写真C:ヒツジ広場に着いて体重測定されているヒョウモンガメ

 

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写真D:体重測定が終わったら、運動場に放します。

 

 去年はゾウガメが放飼されたすぐ横のスペースに野菜が植えられていて、案の定、興味を持った個体が仕切りのベニヤ板より深く地面を掘り、遂には野菜へとたどり着きました。今年、野菜はなくなりましたが、同じ敷地内に新たにうさぎの展示スペースが設けられました。果たしてどんな反応をゾウガメたちはするのでしょうか?

 この「ゾウガメのお引っ越し」、普段はガラス越しでしか見ることのできないカメたちを、青空の下でもっと間近に感じることができる良いチャンスだと思います。カメを身近に体感するためにも是非参加されてはいかがでしょう!今年のアイファーからヒツジ広場への引っ越しは6月25日に実施しますが、秋にもヒツジ広場からアイファーへの引っ越しがあります。

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写真E:草むらを歩くゾウガメ

 

 最後にお客様へお願いがあります。ヒツジ広場横に放飼中に、お客様の中に草を直接食べさせたいと網越しにカメにやろうとする方がおりますが、カメが誤って指にかみつく恐れがあり危険ですので、どうぞ温かく見守るだけにしてください。