飼育員は親代わり?!


  飼育員になり、はや半年あまりになりました。この間ずいぶん充実した日々をすごしました。そう感じているのは動物と関わることのおもしろさと厳しさがあるからかも知れません。動物たちの日々変化する行動を見ていると飽きることがありません。動物のちょっとした変化に気づきストレスを与えない飼育を考えて行動できたと感じられたときは、動物のことを少しでも理解できたと感じてうれしくなり、「よーし、もっとがんばるぞ!」と気持ちを新たにします。
 四月から草食獣舎の担当になり飼育する動物はシマウマとエランドそしてコフラミンゴ、それらの飼育担当の話を聞いたときは「シマウマを飼育するのか。大丈夫かなぁ・・」と、不安に駆られたのを覚えています。獣舎に案内されて動物をはじめて目の当たりにしたときは、驚きを飛び越えて興奮しました。
 獣舎に入ってすぐ動物たちからの警戒の眼差し!「おまえだれやねん?!」みたいな冷たい空気を感じたときは少しひるみました・・・。
 動物たちとふれあう仕事をしていると「動物たちにも個性があって主張をするんだなぁ」と思いました。性格がおっとりしている動物や気性の激しい動物などさまざまですが、いろんな行動を見ていると面白いし、サバンナグランドの中とか寝室で動物が「何を感じてそのような行動を起こすのかな」と、いろいろ考えてしまいます。
 僕が動物たちの飼育でいつも心がけていることは動物に話しかけることです。朝、獣舎に向かう途中「今日も元気かな・・」とかいろんなことを考えつつ、動物舎へ自転車を走らせます。到着してすぐ「おはよう」と声をかけ動物たちに自分の存在を知ってもらいながら、動物たちの元気な姿を見てホッと安心します。また仕事中も動物たちには必ず声をかけ、少しでも信頼関係を築けるように努力しています。ただ声をかけるにも動物の行動に配慮しなければならず、動物を誘導する間合いのとり方などまだまだ学ぶべきことがたくさんあります。動物に接するときは気をくばり真剣に考えますが、ときには「動物の機嫌とりはむずかしい」と思うときがあります。ほんとうに経験不足で分からないことがいっぱいです・・・。

飼育員は親代わり

 飼育をしていく中で動物の体調管理がとても重要でありすごく気を使います。それは生活環境と食生活のふたつが課題だと思います。動物園の動物たちはいろいろ決められた範囲の中で生活をしています。だから動物たちがたちまち運動不足や病気などで種々の問題が出てきます。そうならないようにエサの食べ残しや体の状態、そしてフンの様子などを毎日の観察の中で見たり感じたりするところがたくさんあり、少しでも異常があればすぐに獣医師に相談して、さまざまな問題を解決していきます。
 私自身まだまだ経験が浅いので動物がすごしやすい環境づくりや毎日の体調管理を胸に、さらに勉強をすることで、今は緊張の連続ですが、そのワンポイントガイドを自信を持ってできるようにがんばろうと思っています。

(三宅 正悟)