新人飼育係を迎えて「今までにないほど動物のことを考えてしまいます」


 今年度から天王寺動物園の飼育係になりました三宅正悟と申します。アフリカサバンナゾーンの草食動物舎を担当しています。草食動物舎の動物たちはシマウマとエランドそして草食獣ではありませんがコフラミンゴを飼育しています。
 天王寺動物園に転勤して来て、今までにない経験ばかりで、初めて目の当たりにするキリンやシマウマたちは近くで見ると大きくて圧倒されました。そして、動物たちからの「オマエだれやねん」と言わんばかりの警戒の眼差しが身体に突き刺さるぐらいでした。初めてグランドに入ったときは正直怖かったです。

キリンとシマウマのいる放飼場へ 
キリンとシマウマのいる放飼場へ 

 毎日動物たちと触れ合っていく中で感じていることは、動物にもそれぞれの個性があり主張もするんだと思いました。性格がおっとりしている動物やあわただしい動物などいろいろな行動をとるので見ていてとても面白いし、飼育している時がとても楽しいです。
でも、楽しいことばかりではなく動物も生き物ですから寿命があります。動物が動物園でより快適に生きていくには現場での飼育員の観察と飼料がとても重要になっていることに気づきました。まさに動物たちの両親にならないといけない。病気になれば獣医師と話し合い、回復に向かわせることもしないといけない。とてもむずかしく気を使っていかないといけない。動物自身では何もできないし、生きていくことができないなと思いました。

000000000nO\0
キリンやシマウマの餌作り

 毎日の動物観察はいつも変化があってとても勉強になりますし、考えさせられます。朝のかけ声から自分の存在を知ってもらい、その後に部屋の掃除をします。部屋の中には動物たちの重要な健康状態の情報がいっぱいです。糞(ふん)や餌(えさ)のチェックまた動物自身の観察、例えば立ち姿や歩行状態など例をあげるともっとたくさんあると思います。

キリンの寝室の清掃
キリンの寝室の清掃

 また、動物園の動物たちは限られた面積の中で生きているため唯一の楽しみが食べることなのかなと感じました。少しでも長く生きてもらうためにはそれぞれの動物に合った餌の作り方をしなければいけなくて、量の配分などいろいろ考えさせられます。寝室に収容したあとの動物たちの元気な姿を見ればよかったなと思います。こういった環境の中とても楽しく、考え、やりがいのある仕事に就けて本当によかったですし、今後もいろんなことが起きるかもしれませんが、しっかりがんばっていきたいと思います。

サバンナテラスでのワンポイントガイド
サバンナテラスでのワンポイントガイド

(三宅 正悟)