中国の動物園と動物たち

 今年の3月2日から8日まで、第16次大阪市上海市動物交流事業の一環として中国を訪問しました。上海動物園以外にもいくつかの動物園や施設を視察しましたのでご紹介します。

(構成:竹田 正人)


上海動物園

〔上海動物園〕
 上海動物園は1954年に開園した歴史ある動物園で、敷地面積70ヘクタール、約600種、6000点の動物を飼育展示している中国有数の動物園の1つです。ゴリラ舎は同園で最も新しい施設で、オランダから雄1頭、雌2頭を導入し、繁殖にも成功していました。

 

上海動物園

〔上海動物園〕
 ゴリラ舎の屋内展示場は欧米並みの動物の福祉に配慮した設備になっていました。

 

上海動物園繁殖場

〔上海動物園繁殖場〕
 上海動物園は希少動物を繁殖させるための非公開繁殖場を持っています。キンシコウやゴールデンターキン、クロヅルなどの中国の希少動物が多数飼育されていました。中でも注目したのは、野生下では数十頭しかいないといわれるアモイトラです。アモイトラは中国南部に生息しているトラで、世界中の動物園でも約300頭しか飼育されていません。

 

上海野生動物園

〔上海野生動物園〕
 上海野生動物園は上海市郊外にあるサファリ型の広大な動物園で、1995年に開園しました。
ホワイトライオンやホワイトタイガーなどの珍しい動物のほか、キンシコウやジャイアントパンダ、写真のゴールデンターキンなどの中国産の動物も広い敷地で飼育展示されていました。

 

雅安ジャイアントパンダ繁殖センター

〔雅安ジャイアントパンダ繁殖センター〕
 雅安ジャイアントパンダ繁殖センターは四川省雅安宝興蜂桶寨自然保護区内にあり、この保護区の中にあるケ池溝は1869年に初めてジャイアントパンダが発見された場所として有名です。写真は格子越しで雌と見合い中の雄のパンダです。ちょうど恋の季節で、パンダの鳴き声が聞こえてきました。

 

華やかなピンクのハナズオウ

〔雅安ジャイアントパンダ繁殖センター〕
 雅安ジャイアントパンダ繁殖センターには、2008年5月に起こった四川大地震で被害を受けた臥龍中国パンダ保護研究センターから多数のパンダが引っ越してきていて、64頭が飼育されていました。繁殖も順調のようで、同センター生まれで離乳した子パンダを集めて飼育している施設がありました。名付けて「パンダ幼稚園」。

 

成都動物園

〔成都動物園〕
 成都動物園は四川省成都市にある中国西南部最大の動物園で、約600種、3000点の動物を飼育展示しています。カバやキリンなどの世界中の動物はもとより、中国の希少動物も多数、飼育されていました。中でも写真のキンシコウ舎は新しい施設で、動物舎内に植栽も多数植えられていました。

 

成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地

〔成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地〕
 成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は1987年に成都市の郊外に建設されたジャイアントパンダ専門の研究施設であるとともに、レッサーパンダなどの中国産希少動物も飼育していました。現敷地面積は106ヘクタールですが、ゆくゆくは200ヘクタールまで拡げる予定だと聞いてビックリしました。83頭ものジャイアントパンダが飼育されていました。