ラクダの同居


 天王寺動物園には2頭のフタコブラクダがいます。雄のジャックは1992年6月23日に広島市安佐動物公園生まれの15歳、雌のコニーは1996年3月7日秋田市大森山動物園生まれで13歳です。昨年1年間は別々に飼育していましたが、雌のコニーの足の状態がだんだん悪くなり、このまま悪化すれば、出産、育児は厳しくなるとを考え、おそらく最後の出産なると思われますが、同居に踏み切ることにしました。
 雄のジャックはとてものんきで、おっとりとした性格なのですが、雌のコニーはやんちゃできつい性格をしていますので、1月19日に同居させたところ、早速交尾を確認したものの、その後はコニーの機嫌が悪い時と、そばに寄るだけで怒鳴られて、ジャックはすぐに引いてしまいます。「頑張れ!ジャック!」と言いたい感じです。
 野生では雄のフタコブラクダは30頭ぐらいの雌と、いわゆるハーレムという群れを作ります。繁殖期には雌を他の雄から守ったり、自分の子孫を残すために、雄はたいへん強くなるのですが、ジャックはいつもコニーに怒られています。そんなジャックはいつも隣のヤギがフェンスに近くによって来ただけで威嚇しています。どうやらコニーに怒られた腹いせにヤギに八つ当たりしているようです。そんな、ペアですがうまくいけば来年の春にはベビー誕生ということになります。本当に、ジャックには頑張ってもらいたいものです。

(町出 猛)

アジアゾウの春子
ジャック(左)とコニー(右)