天王寺動物園を入って左へ少し進むと、実物大のカバのブロンズ像やサファリカーがあります。その近くにあるンザビ国立公園の大きなゲートをくぐればアフリカサバンナゾーンのスタートです。本当のアフリカに行くにはものすごく時間やお金がかかりますが、ここではほんの少しですがアフリカに来たような気分が味わえます。
 さらに、タイミングが良く飼育担当者が担当動物のガイドを行っていると、動物たちの採食のようすが見られたり、いろいろな体の秘密が聞けたりと、こうなるともはやアフリカ以上かも!?というのは少々言い過ぎですが、せっかく天王寺動物園までいらっしゃったのですからこれを見逃す手はありません。たいていのガイドは始まる10分前ぐらいに園内放送でお知らせしますので、これを聞き逃すことのないように!というわけで今回はアフリカサバンナゾーンのガイドについて紹介していきたいと思います。
 ゲートをくぐるとまずはカバがお目見え、このカバ舎では上から見下ろすプールに雄のテツオが、坂を下ってガラス越しに水中を見ることができるプールにはテツオの母親であるナツコがいます。またテツオのお嫁さんであるティーナは、体調や発情の具合をみてテツオと一緒にしたり、ナツコと一緒にしたりしています。ここでは飼育担当者がテツオの口の中を専用のブラシで掃除する、「歯磨きタイム」というガイドを行っています。飼育担当者のおじさんがすっぽり入ってしまいそうな大きな口を実感してください。

カバの歯磨きタイム
カバの歯磨きタイム

もっと間近で見てみたい!というあなたは、ガラス越しのプールで行っています「ナっちゃんのおやつタイム」がおすすめです。なにしろカバの毛穴まで見られるほどのドアップが、ガラス一枚隔てただけの距離でご覧いただけるのですから、圧倒されることは間違いなしです。が、カバの大きさに少し落ち着いてきたら、どこからか聞こえてくるガイドにも耳をかたむけてみてください。カバの体の秘密、水中で暮らす訳、カバと他の生き物との以外な関係など、いろいろなことをしゃべっていますよ。

カバのおやつタイム
カバのおやつタイム

 さてカバ舎を過ぎ、次の見どころは、キリンやシマウマ、ダチョウなどが一緒に過ごす大放飼場でしょうか。ここでも「おやつタイム」を行っており、のどかな草食動物たちの食事の風景が見られます。特におすすめはハイエナ舎とライオン舎の間にあるサバンナテラスからの眺めでしょう。ここでは身長が5メートル近くもある雄キリンのケニヤが、木の葉っぱを食べる様子が見ることができます。

キリンのおやつタイム
キリンのおやつタイム

同じ草食動物でもキリンとシマウマがそれぞれ違うものを食べて暮らしているのがわかると思います。特にキリンは餌(えさ)を採るために体の一部を特徴的に使います。それがどこかはあなたの目で確かめてみてください。

サバンナテラスでのガイド
サバンナテラスでのガイド

 またキリンは夕方3時ごろになると獣舎に帰りますが、お客さんは屋内展示室でキリンを間近に見ることができます。ここでのガイドは主に雌のハルミについてのお話をしていますが、内容はハルミのしっぽに起きた悲劇や、近くで見るからこそ確認できるハルミの顔に隠された秘密などです。実はそれほどたいしたことではないのですが気になった方は、「ぜひ、お越しくださいませ。お待ちしております!」このフレーズにピンときたあなたは、かなりの天王寺動物園マニアです。

キリンの屋内展示室でのガイド
キリンの屋内展示室でのガイド

(油家 謙二)