天王寺動物園では200種を越す動物たちが暮らしています。食べ物の種類や量は動物種ごとに違います。また、季節や体調によっても変わります。そんな動物たちの食を支えているのが動物園の台所である「調理場」です。今回は皆さんを、普段ご覧いただけない調理場にご案内しましょう。

(撮影・構成:高見 一利)



外から見た調理場です。毎朝、新鮮な食材がトラックで運び込まれます。八百屋、魚屋、肉屋、飼料メーカー、その他たくさんの業者さんから動物たちの食べ物が届けられます。

 

まずは、検収・配膳室(はいぜんしつ)を見てみましょう。この部屋では、調理場担当の係員が配達された食材の量や品質を確かめます。
その後、細かい分配表を確認しながら、ハカリを使って動物種ごとに食材を分けていきます。

 

検収・配膳室(はいぜんしつ)の隣の部屋は調理室です。部屋の中央の調理台には大きなまな板が置かれ、周囲には冷蔵庫が並んでいます。
ここでは、飼育係員が自分の担当する動物たちの餌を調理します。調理といっても煮たり焼いたりすることはなく、肉や野菜などを動物が食べられる大きさに切り分けたり、混ぜ合わせたりします。

 

2階に上がると、飼料倉庫があります。長い間保存できるドッグフードのような人工飼料、穀物、塩やその他の添加物、缶詰などが保管されています。一度に数百Kgの重さの飼料が運び込まれるため、天井にはクレーンが取り付けられています。

 

調理場は皆さんの目に触れることのない施設ですが、動物たちの健康の源である食べ物を、きっちりと管理するための大切な場所です。毎朝、こんなところで大量の餌が用意されているのです。

 

調理場に並んでいる食材が、動物園の餌の全てではありません。動物園にはいろいろな種類の動物たちが暮らしていますから、生きた金魚やコイ、冷凍のマウスやラット、コオロギやその他の虫、ミミズなどを与えているものもいます。青草や乾草、木の枝葉などもあります。