この秋、花を咲かせ楽しませてくれた菊鉢も冬に向かい、花も葉も枯れはじめ、このままこの鉢はダメになってしまうと思われがちですが、菊の性質を知れば冬の管理も容易になります。
菊は宿根草で、冬季に地上部は枯れますが、その根元付近に新たに発芽して、再び生育を始めます。その発芽した芽は冬至の頃に出ることが多いので冬至芽とよばれます。冬至芽は低温が続くことで節間伸長しなくなり、その状態で越冬します。そして、初春の温度の上昇にしたがい生長を始めます。
菊の種類によって冬の管理方法は様々ですが、ここでは小菊の管理について簡単に説明しましょう。

(伊勢 貴宏)



* 管理する場所はフレームに入れて管理すると理想的ですが、日当たりのよい軒下などでもいいでしょう。寒風はよしずなどで避けます。また、霜がかかりそうならダンボールなどで夜間のみ覆ってもかまいません。
* 水やりは鉢が乾いているとき午前中にします。夕刻では凍結する恐れがあります。
* 肥料(乾燥肥料)は1月下旬頃から月2回程、4号鉢なら大さじ1杯、8号鉢なら大さじ2杯程度を鉢の2、3か所に分けて施します。
* 病害虫については低温のため発生しにくいですが、フレーム内ではまれにアブラムシが発生するため月1回程度薬散をします。