「春子ばあさんとチビ小僧」


 2005年4月より春子の鼻先にエサを与える練習が始まりました。危険防止のため必ず側には先輩キーパーに付いてもらいます。
 ゾウたちの玄関は、一本の横棒「馬栓棒」で仕切られ、この棒が油圧ピストンで上がることでゾウたちが出入りするのです。(写真参照)
 さて私が春子にこの馬栓棒越しに餌を与える練習を始めたときです。この棒の高さは、ゾウが上を越えないように、また反対に下を潜らないように、ちょうど目の位置に合わせています。ゾウたちは先輩たちに呼ばれると馬栓棒の上から覗いて姿を確認するのです。でも先輩たちより遥かに背の低い私が声をかけたとき、春子はしばらく迷ってなんと棒の下から覗いて私の姿を見たのです。先輩たちより小さい私の姿が棒と完全に重なって見えなかったのでしょう。「くっそ〜そんなに自分がチビってことかい!」一瞬悔しくも思いました。でも見方を変えれば春子がそこまでして私を探してくれたということなのです。新米である自分がそこまで春子に意識してもらえるなんて、ある意味ありがたいことですよね。 

(飼育課:西村 慶太)