SAGA8の1日目と2日目の内容を写真で紹介します。
1日目はセッション1「大型類人猿のフィールドから:現状報告」とセッション2「野生保全とNPO、企業、行政」が開催されました。
2日目は、セッション3「動物園の新たな取り組み−研究から展示まで−」と舞台公演「アーツ アンド エイプス−大型類人猿から芸術を考える−」、そしてジェーン・グドール博士の特別講演会「野生チンパンジーとすごした45年間」が開催されました。
この他、ポスター発表やNPOのブース展示、人形劇も行われました。また、大型類人猿をテーマに創作された大阪芸術大学の先生や学生の作品に加えて、国内外のチンパンジー・オランウータン・ゴリラ・ピグミーチンパンジー(ボノボ)の描いた作品が話題を呼びました。国内外の大型類人猿の作品が一同に介したのは世界初だと思います。彼らの色彩感覚や筆使いに皆が驚嘆していました。

(飼育課:竹田正人 SAGA世話人)

セッション1
「大型類人猿のフィールドから:現状報告」

 写真の演者は明治学院大学の古市剛史氏で、内容は「ボノボの生息の現状と未来〜植民地支配と戦争が残したもの〜」でした。(注)ボノボ=ピグミーチンパンジー
セッション2
「野生生物保全とNPO、企業、行政」

 写真の演者はトヨタ自動車株式会社の西堤徹氏で、「トヨタ自動車の自然保護への取り組み」について報告されました。この他、環境省自然環境局の阪口法明氏が「大型類人猿保護への今後の日本の支援について」を報告されました。

セッション3 「動物園の新たな取り組み-研究から展示まで-」
 研究者の立場からは、スコットランド・エディンバラ大学のAlexander Weiss氏(写真)が「チンパンジーとオランウータンの個性」について、日本からは国立情報学研究所の藤山秋佐夫氏が「チンパンジーゲノムの解読とY染色体による亜種判定」について報告されました。  動物園の立場からは、イタリア・Garda Zoological ParkのCaterina Spiezioさん(写真)が「ヨーロッパで飼育されているチンパンジーの新たなる可能性」について報告されました。
この他、日本からは、東京都多摩動物公園の黒鳥英俊氏が「オランウータンの新たな施設」を、伊豆シャボテン公園の堤秀世氏が「ショーチンパンジーの群れ入りについて」を報告されました。

舞台公演 「アーツ・アンド・エイプス _大型類人猿から芸術を考える_」
 京都大学霊長類研究所の松沢哲郎氏(写真)の挨拶「類人猿の描く絵画」で始まりました。  大阪芸術大学の石井元章氏(写真)の「西洋美術氏に見る霊長類−象徴から実体へ−」の講演のあと、「アーツ アンド エイプス展」作品授賞式、大阪芸術大学の中島貞夫氏企画・構成による「映像・リズム・トークによるアーツ アンド エイプス」の上映、大阪芸術大学の川井郁子さんによる「ヴァイオリンコンサート」と続きました。

ジェーン・グドール博士の特別講演
「野生チンパンジーとすごした45年間」

 グドール博士は野生チンパンジー研究の第一人者です。いつもの挨拶・チンパンジーの鳴声から講演が始まりました。博士の若い頃の姿が写っているスライドを使って45年間の活動をお話されました。いつ見ても神々しい方です。
「アーツ アンド エイプス」作品展
 注目すべきは、大型霊長類が描いた絵画です。国内からは、京都大学霊長類研究所のチンパンジーのアイ、東京都多摩動物公園のオランウータンのモリー、林原霊長類研究センターのチンパンジーたちから、海外からは、チンパンジーのワシュー、ゴリラのココ、ピグミーチンパンジー(ボノボ)のカンジからの出展がありました。