平成7年4月以降、最近10年間の新しい展示は、いずれもZOO21基本計画に基づき、生態的展示手法を用いています。すなわち動物の生息地の風景を再現してその中で動物たちを展示することにより、見る人に動物たちの故郷にいるような感じを抱いてもらうことを狙っています。同時に、動物と動物を取りまく様々な状況を解説するサインは単なる説明板だけでなくレプリカなどを用いたり、デザインに工夫が凝らしたりしており、生態的展示の臨場感とともに楽しみながら、動物と環境について、さらに深い理解をしてもらえるようになっています。

写真・構成:高橋 雅之

 カバ舎の自慢はプールの透明度。水中のカバの行動が上からでも横(透視プール)からでもご覧のとおりです。

 

 絶滅の恐れが高いクロサイ。原因は角を狙った密猟。サイ舎の展示では、密猟現場を再現し、クロサイの置かれている現状を入園者に知ってもらい動物の保護を訴えています。

 

 アフリカの国立公園を園内に再現。緑豊かな園路をたどると大阪の都心にいることを忘れそうです。複数種の動物の同居展示も魅力的です。

 

 チャーン・ヤイ山国立公園の入口から入ってゾウの住む森の中の道を行くと、やがてバナナ畑のある人里に出ます。ストーリー性に富んだ生態的展示で急速に姿を消しつつある熱帯雨林の現状と自然保護のメッセージを発信します。