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チンパンジー舎の運動場に遊び道具が少ないこと、一昨年に生まれのレモンが親から離れて遊び始めたこともあり、ロープを取りつけることにしました。
いざ、つけようと考えると、そう簡単ではありません。ロープを枝と枝の間に張るためには、まずロープを枝に回して結んだり針金で止めたり編み込まなくてはなりません。結んだり針金で固定しても、手先が器用で力もあるチンパンジーは簡単にはずしてしまいます。チンパンジーの運動場にロープを張るには、ロープの素材・太さや取り付け金具の素材や形など様々な問題をクリアしなければなりません。 困った時には、我々には心強い同業者が日本各地にいます。今回はロープの長さや太さ、金具を決めるのに、神戸市立王子動物園の川上博司氏にいろいろなご助言をいただき、氏が試行錯誤のうえ考案した金具を使わせていただく事にしました。 とりあえず合成繊維で太さ5cm、長さ5mのロープを用意し、12月14日にまずは1本目を付け1カ月間様子を見ることにしました。最初は見慣れない物がぶら下がっているので、恐る恐るアップルが近づいて触りました。やがて次々と他のチンパンジーも近づき、においを嗅いだり噛んだり引っ張ったりしていました。最初は真っ白だったロープも2〜3日で真っ黒になりました。外される様子もないようなので、1カ月過ぎた1月17日に2本目を取りつけました。2本目を取り付けた2日後に、金具から出たロープの端を止めていた針金を外しました。これを補強し3本目を1月31日に取りつけました。
ロープの張り具合を、徐々に強くして様子を見ていました。チンパンジーはゆったりと張ったものよりはピンと張ったロープを好んで利用するようです。アップルは強く張った3本目のロープが気に入ったようで、ハンモックのようにロープ上で寝ていることもあります。 今は新たに長い丸太を入れたりして、様子を見ています。チンパンジーたちが持つ素晴らしい運動能力を存分に発揮でき、のびのびと生活できる場を作っていければいいなと思っています。1歳半になったレモンは毎日ロープ遊びをし、日に日にやんちゃ坊主になっています。みなさんもぜひ、見に来て下さいね。 (飼育課:松村 幸治・早川 篤・中島 野恵) |
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