遥かなる奇妙奇天烈驚愕なるなる動物たちへの道楽的探求心得法

海洋堂
企画制作部
塗装室
古田 悟朗さん

 僕はちょっと変わった動物が好きなようです。三、四歳頃、祖母がデパートでゲンゴロウを買ってくれました。名前が似ていることもあって大変気に入りました。そして、驚く事に虫なのに水中を巧みに泳ぐこと。更に驚愕したのが這うことも飛ぶこともできる能力です。(あとになって気付いたがケラは更に地底もイケる。)もし、動物ではなく、そんな乗り物があったら凄過ぎる!こんな変わった動物がいたなんて!幼いながらも感動しました。それからというのも、ライオンやパンダやゾウのような人気動物より昔の図鑑にあったような「動物の超能力」に載るような変わった動物ばかり見るようになりました。造形したい動物もそんな奇妙なヤツです。それと、ちょっと変わった動物の見方は視点を変えてみるとより面白くなってきます。それは「ワク」を作るということです。例えば、カメでいえば首を横に曲げる仲間がいます。殆どがグレーの地味なカメばかりですが。その中で一番首が長いのはどんなものか。反対に首が短いのは?トゲがあるもの。模様があるもの。頭が大きいものとか「首を横に曲げる」というワクをはめることによって様々なキャラクターが浮かびあがります。
 そんなカメたちを見て思うのは、太古の人々が動物たちのキャラクターを感じて精霊とか妖怪を作り出したのかなと想像してしまいます。(例えば狐とか狸)飛躍しますがそれらが発展して今のテレビやマンガのキャラクターに繋がっていったと思えるのです。ディズニーランドまで行き着いてしまえるのです。そう思うと、AnimeとAnimalが同じ語源から来ているのも面白いですよね。そういえば我が国には「鳥獣戯画」といのもありましたね。もし、世界に人間だけしか誕生しなかったら「文化」も産まれなかったかもしれませんね。人類って動物たちといっしょに歩んで来たんだなあ。どどどっどどどうと、そんなこと思い描きながらクダラナイものを作ってみてはみんなの失笑をかっている僕でした。

(ふるた ごろう)