動物の餌をつくる調理場、飼料倉庫は、オオカミ舎の裏にあり入園客の目にはとまりません。 毎日、調理場では飼育係員が自分の担当する動物の餌を作っています。
アシカやペンギンには、10kgもある冷凍アジの塊をいくつも解凍しますし、クロサイやサル等には包丁を使って野菜等を切ります。キリンやシマウマ、ヤギ等には大きな野菜カッターを使って野菜をスライスし、草食動物用のペレットとフスマ等を専用の練り合わせる「練り場」と言う所で、スコップを使って混ぜて練り合わせます。 肉食動物のライオンやトラ等には、出刃包丁を使って肉や骨肉を切ります。
調理場担当の係員の作業は、自分の担当の動物の餌を作り、他の動物の餌作りも午前中には終了しますので、それから作業が始まります。
まずは、調理場の掃除、大きなまな板、調理台、野菜カッター、練り場、床等をキレイに水洗い、生きたドジョウ用の生け簀の水換えもします。その後、動物ごとに餌の配分作業をします。これは、丁度料理毎にレシピに沿って材料を集めるのと似ています。沢山の動物が居るので結構大変です。一例をとってみると、16種類の野菜、果物を20ヶ所の担当動物舎ごとに「分配表」に従って配っていくのです。サッマイモやリンゴは、5kgや10kg入りのダンボール箱で納品されて来ますので、動物舎ごとに必要な重量を計測し、個数を配分します。また、他の材料も同様です。この作業で一番苦労するのが、野菜の傷みです。年間を通して使っているので、野菜の旬を過ぎてしまうと、傷みの入った野菜が出てくるのです。その傷んだ部分を一つ一つ取り除いたり、切り取ったり大変時間がかか
ったりします。それら配分した野菜は、翌日に使用する野菜なのですが、青菜とパンだけは、萎れたり、固くなったりするので、当日の朝に分配します。また、調理場で唯一火を使う調理が有ります。それは蒸し器を使って、鳥、サル、ホッキョクグマ等の為に10kg
の蒸しサッマイモを作る事です。 これは、冷めるまでに時間がかかるので午前中に作るのですが、たまに忘れて、あせってしまう事があります。なにはともあれ、動物の健康の為頑張っています。 |
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