動物を作ろう

飼育課  早川 篤

みなさんはシマウマを描けますか?
 縞の太さや耳、しっぽとかよく知っているつもりでもなかなか描けないものです。自分で何か描いてみたり作ってみたりすることで、自分が見落としていた動物の姿を発見することができます。

 本来、動物園の動物は決してただ単なる、見せ物ではありません。動物園とは正確に言うと『動物学博物館』。目的とするものは「環境学習の場」と「種の保存」です。
 もちろん、楽しくなければ動物園じゃないという意見もあります。でも、野生動物を飼育する施設として彼等をただ単なる見せ物に利用するだけなら、動物園の存在そのものが不要なものになります。動物たちを見ていただきながら、ひとつでもいいから何かを再発見して楽しい気分で帰っていただけるようにしなければなりません。

 ところが、動物園を学習の場として、利用しようとする方は、まだまだ少なく、おおかたの人は動物を見て、自分が知っている知識を再確認して帰るだけの場合が多いようです。もちろん、これは動物園側の展示方法や情報提供が不十分なせいもあります。
 そこで冒頭に書いたように何かを描いたり作ったりする事でより深い理解を与えることができないかと、いろんな物を作っています。(なきごえ1997.8月号、2001.6月号参照)いつの日にか、動物園にとって何らかの役に立てることもあるのではと信じて展示以外にできるソフトを考えて作っています。

 作品は『グラフZOO』を御覧ください。