今回は天王寺動物園にいるネコの中からトラのお話をしましょう。
トラの仲間は8亜種(そのうち2種は絶滅種とされています)あります。当園では、2頭のアム−ルトラを飼育しています。残念ながら2頭ともメスなので繁殖は期待できません。
まずは2頭の紹介をします。
まずは1頭目、名前は『タマ』です。1986年 7月26日、多摩動物公園生まれです。もう1頭の名前は『アヤ』。1997年
6月 7日生まれ、タマの娘です。 トラの展示場は狭いケ−ジと広い運動場があります。従来は運動場にアヤを展示していました。しかし、狭いケ−ジはどうしても運動不足になります。また、イエネコは毛玉をはきだすために草を食べるでしょう。トラも大きなネコですから、やはり草を食べないといけません。ところが抜いてきた草だと手が使えないトラは上手に食べれません。そんなわけで週に3日はタマとアヤを交代させることにしました。のんびりしたタマとは違い、アヤは結構こわがりです。だから、お客さんが多い土・日にはタマは狭いほうで見ることができます。
さて、ここでタマとアヤの見分け方を書きましょう。
まずは、パッと見た雰囲気タマは大きいです。と言ってもわかりにくいですよね。人間の指紋とはちょっとニュアンスがちがうのですが、模様がある動物はその模様が個体によって違っているものがあります。トラやシマウマ、キリンなどは体のある部分の模様を比較すると違いがよくわかると思いますよ。今回は目の上、人ではまゆげあたりの模様を見て下さい。この模様は年をとっても変わりません。動物園に来て、ただいろんな動物を見てまわるのも楽しいですが、ひとつの動物をしばらく眺めているのも楽しいですよ。特徴を見つけて、その個体だけを見ているとより身近に感じるものです。
さて、タマとアヤの一日は寝室から屋外に出ることから始まります。昼間の行動はさすがにアヤは若くて活動的ですが、タマはのんびり歩き回るかゴロンと寝ていることが多いです。
食事は夕方に寝室にもどって食べます。タマは年のせいか歯がすり減ってきたので、やわらかい鶏のむね肉を中心に与えています。アヤが鶏を丸ごとバリバリといとも簡単に食べてしまう様子は、さすがって感じです。
みなさんもタマとアヤに会いに天王寺動物園に来てください。
■タマ■
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■アヤ■
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